たった一人の想いが会社を変える。カルチャー変革を成功へ導く実行プランニング

カルチャー変革のプロであるUnipos社のコンサルタント・カスタマーサクセスにマネジメント実例を聞くことで、組織風土を変える取り組みを進める上で抑えるべきポイントを明らかにしていく本連載。前回のカスタマーサクセス・横山に引き続き、今回は導入前の課題整理・成功までのプランニングを行うカスタマーコンサルタントの高橋にインタビューし、カルチャー変革の極意を聞いた。

Profile

高橋 洸也(たかはし ひろや)

ビジネス本部 カルチャー変革部 カスタマーコンサルティングユニット コンサルタント責任者 兼 CX戦略室 プロダクトマーケティングマネージャー

Unipos株式会社の前身であるFringe81株式会社に新卒入社。人事部での採用・人材/組織開発や、広告代理事業での営業を経験。Unipos社へ事業統合後、コンサルタントとして1000名以上の企業のカルチャー変革にコミット。現在は、プロダクト/サービス全体の価値向上に向けてCX戦略室 PMMを兼任。

 

顧客のカルチャー変革を最上段方針に据えたカルチャー変革部

――高橋さんの所属は「カルチャー変革部」ですが、珍しい部署名ですね。どのようなミッションを持つ組織なのでしょうか。

世の中に「組織コンサルタント」という職は多数ありますが、我々カルチャー変革部は、企業のカルチャーを変えることに特化した部隊です。全社参加型カルチャープラットフォームである「Unipos」のサービス提供を通して、カルチャーを変えたいと思っている企業様の真のパートナーであり続けることが我々カルチャー変革部のモットーです。
Unipos社は、これまでの6年間で370社以上の企業様のカルチャー変革に従事してきた実績があります。カルチャー変革部は、顧客の企業価値向上に繋がるカルチャー変革を最上段方針に据え、実績から導き出された理論を元に、単なるサービスの売り手という立ち位置にとどまらずにご相談の受付からプランニング・実行までトータルでサポートしています。

顧客のカルチャー変革を最短距離で再現度高く達成するために、組織も一般的なSaaS企業の「The Model型」とは違った編成をとっています。「The Model型」の多くの場合は内勤営業、外勤営業、カスタマーサクセスがそれぞれ別部隊として分業型をとっていますが、我々の場合、各チームはあくまで職能の役割として分かれているのみで、同じ目標・方針を掲げるフロント一体型組織としています。

――その中でも高橋さんの担う職務は「カスタマーコンサルタント」ですが、具体的にはどのような支援を行われているのでしょうか。

カスタマーコンサルタントは、一般的なSaaS企業でいう「フィールドセールス(外勤営業)」の部隊にあたります。ただ、カルチャー変革部の見据えるゴールはUnipos導入・浸透ではなく、「顧客企業のカルチャーを変え、理想の組織状態を実現する」という長期的かつ難易度の高いものです。そのため、顧客のビジョンから逆算したプランニングを行っています。
プロジェクトの立ち上げからご一緒することもありますし、アンケート設計などによる課題発見、第三者から見た際の課題整理を支援させていただくことも多いです。また、広く施策を洗い出し、解決策の比較検討のお手伝いからさせていただくこともあります。その中でUniposが有効であると感じていただけた場合には、担当者様と共に起案に向けた事前準備を行います。
施策の実行部分はカスタマーサクセス(以下CS)がプロフェッショナルですので、CSへ引き継ぎ、その後も連携しながらプロジェクト成功へ導くお手伝いをします。
(CS・横山が語る実例記事はこちら

変革に向かうためのプロジェクトマネジメント事例

高橋が実際にプロジェクトマネジメントを担当したA社は、グローバル3万人を擁するホールディングスの経営管理業務を行う国内の企業だ。
A社が組織風土に強い課題感を持ったのは、コロナ禍がきっかけだった。リモートワークなど働き方の変化と共に、社内のことが見えなくなるなどのコミュニケーション課題が出ていた。人手不足かつ不安定な時代で新たな価値を生み続けるには、まず上司部下・部署間の日常的なコミュニケーションや、部門横断でのコラボレーションが重要と考えた。
まずは他部署の仕事を知る・他者に感謝や称賛を送る行動を習慣化させる風土を醸成し、カルチャーを変えていく一歩目として、複数サービスを比較検討した結果、Uniposの導入が決まった。

しかし、導入の意思決定をするには成功のイメージが持てるプランニングが必要であり、その実行は一筋縄ではいかない。
具体的に高橋がA社にどのようなプロジェクトマネジメントを提案したのかを振り返ることで、カルチャー変革に向かうために事前に整理するポイントを紹介していこう。

人事施策を繰り返しても組織が変わらないのは、カルチャーが変わっていないから

――そもそも、人事施策を企画する上で重要な考え方はありますか。

単発で研修を行っても、慣性で元の状態に戻ってしまう、という経験をされた経営者・人事の方は多いのではないでしょうか。人事施策を繰り返しても組織が変わらないのは、現場のカルチャーが変わらないからです。継続的に、全従業員を巻き込める施策が必要です。

皆さんは「カルチャーを変える」というのはどういうことだと考えているでしょうか。Unipos社は、「カルチャー変革とは、従業員の『当たり前の基準』が変わり、今よりも一歩レベルの高い行動が増えること」と定義しています。

また、「組織風土」「組織文化」「カルチャー」というのは似たような単語ではありますが、数々の大企業の社外取締役や顧問を務め、『「カルチャー」経営のど真ん中に据える』等の著書がある遠藤功氏は以下の定義をされています。

つまり、土台としての心理的安全性・組織風土・組織文化が合わさったものがカルチャーです。組織風土は例えば「オープンで風通しが良い」「コミュニケーションが活発」というようなものです。組織文化はそのような風土に乗っかる企業固有のもので、例えばトヨタの「カイゼン活動」が挙げられます。
カルチャー変革は決して容易な取り組みではありませんが、それこそトヨタのように、強いカルチャーがある企業は持続的な競争優位性を持つことができます。ぜひ、競争力を生むための土壌となるカルチャーに目を向けていただきたいです。

成功する人事施策のポイントは「体制を伴わせること」

――土台となるカルチャーから変える必要があるということは分かりましたが、施策実行の上でどういうポイントを重視すべきなのでしょうか。

「施策」と「プロジェクト体制」はセットです。つまり、どれだけ施策が良くても実行するプロジェクト体制がないと始まらない、プロジェクト体制があっても施策が本質的でないと結果が出ないということです。
例えば、失敗しがちな人事施策の例を挙げてみましょう。

①社内合意がとりづらい体制になっている
人事主導のプロジェクト体制なので、現場に働きかけづらい。人事が各部署メンバーを深く理解できておらず、管理職を動かすこともできないため、現場が動かず失敗する。

②管理職や現場の納得感を疎かにしてしまう
結果として反対勢力が生まれたり、意図しない利用方法が浸透し、改善に余分な工数をとられてしまう。

以上のことからも分かる通り、カルチャーを変えるには、人事のトップダウンではなく、現場や管理職中心の仕掛けが必要になります。カルチャーの大部分は、現場の日頃の活動が構成しているからです。
実際にA社の場合も、事務局・管理職・アンバサダーという三段階でのプロジェクト体制をとっており、人事だけでなく現場の管理職や、推進役としてのアンバサダーをアサインしています。

プロジェクト期間についても、長期的な取り組みになることを認識すべきでしょう。カルチャーというのは、評価制度や組織体制のような目に見えやすいハード面と違って、直接変えられない意識の問題・ソフト面です。組織全体で長期的に取り組む必要があります。

それを踏まえ、A社では、3年先に目指したい組織像の言語化を行いました。長期的な取り組みではありますが、数か月・年ごとのステップをイメージし、振り返ることで、空中戦的な施策に終わってしまうのを阻止しています。

カルチャー変革のKPIをどう設定するか

――目に見えない抽象的な「カルチャー」を変える取り組みにあたって、どう振り返り、施策を評価すべきか分からないために一歩踏み出せない方も多い印象です。これについてはどう考えていますか?

まずは、理想状態から逆算した課題設定が必要です。例えば「挑戦や主体的な行動を生みたい」のであれば「バリューへの理解や共感」「相互学習が促進される環境」などが必要になる可能性がありますし、そのためには「良い行動は認められると実感し、リスクを恐れず行動に移せる社員を増やす」、またそのためには「お互いの業務や人柄を知り興味を持つ」「バリューを体現する行動を可視化する」必要がある。今挙げたのは一例ですが、このように最上段から順に分解し、取り組むべき課題を明確にしていきます。

また、ご認識の通りKPIの設定は難しい部分です。分かりやすい例ではサーベイやアンケート結果、「Unipos」を利用する場合では「Unipos」でとれた従業員の行動データ(挑戦行動や部署を超えた越境行動)などをモニタリングすることが多いです。「Unipos」データは従業員の挑戦行動数や部署を越境した行動数に紐づきますので、そうした定量データを振り返ります。単に利用率だけを追うというよりは、目的と紐づいた従業員の行動を計測するイメージです。
もちろん、「Unipos」の施策だけで全てが解決するとは考えていません。「Unipos」は他の人事施策や人材マネジメントと組み合わせて最大の効果を発揮するものですから、それとの相乗効果を狙うご提案も行っています。

たった一人の想いが、意外と簡単に会社を変える

――カルチャー変革という大きなプロジェクトを実行する上で抑えるべきポイントがよく分かりました。最後に、高橋さんがUnipos社で成し遂げたいことや、個人としてのビジョンを聞かせてください。

「今いる組織を少しでも良くしたいけど、なかなか思いを周囲に提案できない」「提案したけど、実行で過去躓いて苦い経験がある、あるいは周囲の反対が怖い」「実行したけど、取り組みが過去形骸化して失敗したことがある」――そんな経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような組織を変えたいという意思を持つ方々に寄り添い、皆さんの理想とする組織状態を作ることが私のビジョンです。
私は、たった一人の想いから、意外と簡単に会社や風土は変わると信じています。今私が行っている、会社をより良くしたいという一人一人の想いを形にするお手伝いは、何事にも代えがたい尊い仕事です。

Unipos社のパーパスである「『最高の集団を自らつくる』時代をつくる」ことを実現し、個人としても「最高の集団を自らつくる思いを持ったあなたに寄り添い変革を実現する」パートナーとして、10年先「最高の集団」が1社でも多くなっていることを目指して今後も邁進します。

※記載されている情報はインタビュー当時のものです。

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